続くマイナス金利の中でいま、マンションを買うのは本当にお得なのか

7年 ago 金利のはなし 続くマイナス金利の中でいま、マンションを買うのは本当にお得なのか はコメントを受け付けていません

マイナス金利導入により住宅ローンの金利が引き下げられていますが、低金利に目を取られて安易な借入をすると破産する原因にもなります。住宅ローンを効率的に利用するためにはどうするべきか、住宅ローンの借り入れで気をつけたいポイントを見てみましょう。

マイナス金利の導入で下落に拍車がかかる住宅ローン金利

これまで住宅ローン金利は一貫して下落傾向にあり、2006年の固定10年・フラット35の3%台からほぼ半減した1.5%から2%まで下落していましたが、2016年1月末に新たな金融政策としてマイナス金利政策の導入が発表されると住宅ローンの金利引き下げが相次ぎ、2月半ばを過ぎるとメガバンク3行の固定10年金利ははじめて1%を割り込みました。

過去に例を見ない低金利で住宅ローンの借り入れによるマイホームを持つチャンスと言えますが、借り入れをする前に検討しておきたいポイントとして、「条件が異なること」と「収入によって返済負担が異なること」には注意が必要です。
それぞれの注意点について、詳しく見てみましょう。

注意したいポイント:銀行によって条件が異なる

世界的に金余りの状況が続いている現在、銀行は貸し出しを伸ばすために競って低金利を設定しているため、確かに今は史上空前の低金利と言えます。しかし、アメリカの景気回復が軌道に乗ったことでゼロ金利政策が解除され、利上げがはじまったように、現在の歴史的な低金利がこのまま続く保証はありません。

住宅ローンを借りるときに、貸し手のセールストークを真に受けて変動金利の住宅ローンを借りると、景気回復によって金利が上昇することで返済額が急激に膨らむ可能性があります。金利上昇を恐れて10年固定や長期固定で人気を集めるフラット35の借り入れでも、借り入れをする銀行によって最終的な返済金額が大きく変わってくることにも注意が必要です。銀行ごとの金利差はほとんどなく、小数点以下の金利差の違いにとどまります。しかし元本が大きいので、最終的な返済額で見ると数百万円もの違いが生じるのです。

また、銀行によって条件が異なるため返済に影響を与えるポイントとしては、繰り上げ返済の手数料があげられます。定例返済とは別に返済を進める繰り上げ返済は、総返済額や返済期間を減らすための大きな武器と言えますが、繰り上げ返済の最低条件は、金融機関によって大きく異なります。そのため、いざ繰り上げ返済をしようとしても、条件を満たさないことから繰り上げ返済ができないことが考えられます。
住宅ローンの借り入れを検討するときには、これらの諸条件の違いまで比較・検討する必要があると言えます。

注意したいポイント:収入によって返済の負担が異なる

フラット35に代表されるように、住宅ローンの返済期間は35年が基本となりますが、できるだけ短期間の借り入れにすることが返済を有利に進める大前提です。意外と知られていないことですが、住宅ローンの返済期間は5年刻みではなく任意の年数で設定できることがほとんど。負担にならない範囲でできるだけ短い返済期間を設定することがスムーズに返済を進める重要なポイントと言えます。また、毎月支払額を減らすためにボーナス払いに頼りきりになると、ボーナスが減額されるとローン破綻を招く可能性が大きくなります。できるだけボーナスに頼りきりにならない返済計画を立てることが安定した返済のためには重要なポイントと言えるでしょう。

おわりに

一生に一度の買いものと言われる我が家を購入するために欠かせない住宅ローンですが、賢く利用するためにはいくつかのポイントを抑えて利用することが欠かせません。